双極性障害と生きる

個人的体験と考えをまとめています。

障害年金の申請をするか、しないか

年金の申請までの、個人的体験です。

私は障害年金の申請を実行するまで何年も覚悟を決められませんでした。

あくまで双極性障害を個性だと思っていたし、年金を受け取ることで自分がダメになるんじゃないかと考えた時期もありました。

あと、障害年金の仕組みもわかりにくく、壁が大きく感じました。

しかし、助けが必要な時に助けてもらうことも自立だと気付き、考えを改めました。


症状が悪くなってしまい、貯金が底をつきはじめ、いよいよ生活が成り立たなくなってきたとき、地域の社会保険労務士のサイトを見て、困っている状況をメールで伝えたことで状況が変わりました。

ある社労士さんのサイトを見て、この人なら相談できそうと思えたのです。
※ちなみに偶然近所の方でした。

自己紹介を読んで、商売というより、親身になってくれそうな気がしたのです。

電話がしんどかったので、全てメールで対応していただけました。

必ず会う機会が必要になりますが、その時は体調を考慮していただけました。

社労士さんに、精神疾患の場合、本人だけが会いにくるケースは珍しいと言われました。

だいたい家族だけが来たり、家族がつきそうそうです。

おそらく、私のように1人で悩んでいる場合、社労士さんに連絡を取るところまで行き着かないのではないでしょうか。

体調が悪かったり、対人不安が強かったり、本当に悩んでいるのに誰にも相談できない場合は多い気がします。

精神科医も障害年金に詳しくない方も多いようです。
※社労士さん談。

精神科医が「あなたは年金を受け取った方がいいですよ」なんてあまり言いそうな気がしません。

私は何年も通院した病院で、手帳のことも年金のことも一言も聞いたことがありませんし、ポスターもチラシも無かったです。

役所もこちらから相談しないと、権利について向こうから何か言ってくることはなかなか無いです。


年金を受け取るためには、年金をある期間払っているという条件をクリアしなければなりません。

それも、社労士さんが丁寧に調べてくださいました。

障害年金の申請が通る可能性が高いと判断された場合だけ、本人の意思を確認して契約となり、契約金をお支払いします。

申請が通らないと判断されたらそこで契約せずに終わりです。

申請が通った場合、最初に受け取る年金の何割かをお渡しすることになります。
そのこともあり、社労士に頼らず自分自身で調べて申請される方も結構いるようです。

最終的にお支払いする金額や、社労士さんの経費など、契約の際にわかりやすく説明がありました。
年金を諦めていた私にとっては、安い金額に感じました。


障害年金の受給条件などは、日本年金機構のサイトや社会保険労務士のサイトなどをご覧になってください。
※無料相談なども行っているようです。

精神疾患障害年金の申請についての専門サイトや本なども見かけたことがあります。

私が障害年金の仕組みについて安易に書いて間違った情報を流すとたいへんですので、書かないでおきます。


○社労士さんと契約も終わり、本格的に申請のために書類集めを始めます。

社労士さんが私の代わりにできることは、全てやってくれました。
※経費が必要な場合は、その都度相談してくださいました。経費のお支払いがしんどいときは、自分でやりました。交通費と時間給で3000円とかですが。

初診が10年前で転院も多かったので、各病院の診断書を全部集めたりするのも、社労士さんが電話や手紙を駆使してやってくださいました。


私にとって大変だったのは、一生思い出したくない過去を細かく思い出す必要があったことです。
※病院名や、当時の症状など。

私が何年も申請でつまづいていたのは、過去を掘り返すことに苦痛があったのもありました。

が、社労士さんに背中を押され、当時、交際を始めたばかりのパートナーに支えてもらい、少しずつ前に進めました。

パートナーがいなければ、乗り越えられなかったと思います。

封印していた、過去に通院していた病院の診察券やお薬手帳なども探し出しました。
※ほとんど捨ててしまっていたので、あまり出てこなかったです。


今の主治医に申請のための書類を書いてもらう時も、その書類によって申請が通るか通らないかが大きく左右されるので、誤りがないように社労士さんがサポートしてくださいました。

幸い今の主治医は障害年金に詳しい方でしたので、社労士さんが感動するほどしっかりした書類を書いてくださいました。

社労士さんによると、専門家に頼らずに年金の申請をする場合、主治医が書く書類に不備があって、どんなに症状が重くても年金を受け取れないという結果になる場合があるそうです。

書類のどこに不備があると申請が通らないのか教えていただいたのですが、まさか、そんな小さなことで!と、思うようなことで駄目になるようです。

障害年金の書類の書き方について知らない精神科医は多いそうです。


こうやって、社労士さんと契約して、申請が終わるまで10ヶ月ほどかかりました。

私の体調が悪かったことが原因で、申請が終わるまでかなり長引き、社労士さんご夫婦も何度も体調を心配してくださって、人として温かい方で有難かったです。


本当に助けが必要な時、助けて欲しいと伝えられるかどうかで、その後が大きく変わるように感じます。

どんなに対人不安が強くても、コミュニケーションが苦痛でも、助けて欲しいことをどうにか伝えなければ周りは動けない。
※私は助けて欲しいとずっと言えませんでした。


まだ20代の頃、双極性障害の方で、精神疾患の人の自立を助ける活動をされている方と出会いました。

その方とお会いして話す機会があったのですが、「どんなに冷たい人と出会っても、理解してくれる人となかなか出会えなくても、味方になってくれる1人と出会うまで諦めてはいけない」ということを言われました。

諦めなければ、必ず味方になってくれる人は現れる。

その言葉が今でも勇気になるときがあります。


困っている人を助けたいけど、どこにいるのか分からないと思っている人がいます。
本当にいます。

幸い、年金の件は偶然見つけたサイトにメールを送ったら全て解決しました。

悩んでいると伝えただけです。
それだけで、経済的な安心が少しできました。

体が治ったら、社労士になりたいと思ったくらいです。

年金を受け取った恩は社会に返したいので、焦らず体と向き合っていきます。
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